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新英語教育研究会神奈川支部HP

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2007.5 会報141:スピーチ発表活動

2007年5月春の1日研修会(会報141)
●実践報告(高校):「遅れがちの生徒たちと創り上げた英語発表活動の授業」
萩原 一郎さん(県立岡津高校)
スタンダード表現や口頭でのテストなどを積み上げて、発話する力を確実につけさせる。このような萩原先生の手堅い実践はどの教員にとっても「明日からすぐ使える」はずです。

(1)萩原先生
・ 前任校の白山高校:
 高1=必修(3)+OC2(2).
 高2=必修(3)、
 高3=必修(Reading 3)。
 国際教養コース=Writing(2 )+異文化(2)+時事英語(3)+英語2(3)。
・ 1人の英語教員は4~5種類を担当する。

(2)教材
・ スタンダード最重要表現(B4横で3列で16文)
1. 調子はどう? 1. How are… 1. How are you doing?
2. 良い天気だねえ。 2. What a …! 2. What a beautiful day!
3. まだ3時だよ。 3. It’s…. 3. It’s only three.
・ (1) CD-Romで個別練習。音声2回、英語出して1回、日本語出して1回、消して1回、音読。
(2) 口頭で和訳英訳テスト。教師が日本語で言って、16文を英語で言う形式で、時間制限があり、分からない場合は「パス」してよい。クラスの半分は満点を取る。
・ スタンダード表現(B5で表裏)
会話文を「全部が英語」「英語でカッコあり」「日本語訳」の3パタンで用意し、ペアで教員の前で発表。ほとんどは「英語でカッコあり」を見ながら行ったが、1つのペアは「日本語訳」を見て発表できた。
・ オーラルコミュニケーションB教科書『Hello, There』を使って:
(1) ポスタープリンターで絵を拡大し、キーワードも貼る
(2) ペアで発表+ビデオ撮影:声を出す+手で指しながら発表する+何かプラスワンの情報を言う
(3) 言えるようになった英文をワークシートに書く

生徒作品:Mary likes sports. Mary likes soccer and she is a soccer player. I think that she likes soccer team is Manchester United.
(she likes soccer teamは生徒の間違い)
(会報担当から:The soccer team she likes 
        (そのサッカーチーム 彼女は好きだ…)
        彼女が好きなサッカーチーム
  以上のような【接触節】をライティングの機会に生徒に伝えたい!)
スピーチ
・ Show and Tell:ある女子は「Do As Infinityという好きなグループの歌を紹介」、
ある男子は好物のチーズケーキを持ってきて「チーズケーキを永遠に食べる」とスピーチした。
★評価用紙にあったALTのコメント:
Had trouble remembering speech(スピーチを覚えきれていなかった)
Fairly good speed. Choppy delivery.(スピードはよいが、流れが細切れ)

(3)参加者から
・ スピーチ原稿を作る際の指導法:あるALTはハロウィンの骸骨を見せながら、この骸骨に関してWhen did he die? のように質問をしなさいとデモンストレーションしてみせた。その後、自分のテーマに関して、疑問文を先に設定して、その答えを書くつもりでやると自然に原稿ができる、と指導した。例えば、スピーチのテーマが子どものころの思い出のグローブなら、When did you get it? , From whom did you get it? Where did you get it? のように疑問文を作る。それに答えていくとスピーチができあがる。(会報担当から:この指導法は2006年2月例会で金尾さんが報告されたControlled compositionと同じ手法です。疑問文に答えていくとコントロールされた物語文が自動的に出来るというものです。)

(4)質疑応答
・ Q:やりたいことは?
  A:学校教育の中でしかできないことをしたい。「道案内」の英語を超えたい。
■参加者の感想
? 萩原先生の目の前の生徒の実態を的確、正確に把握された授業実践には学ぶに十分な点が隠されていると感じました。
? お疲れ様でした。段階を少しずつ踏み、発表まで粘り強く取り組むには相当のエネルギーが要りますよね。生徒が出来たときの笑顔を見ると教員も励まされると思いました(田奈高でも短いものでやっていますが…)。
? 毎回様々な工夫をされたレポートを興味深く聞きました。ビデオで見た事で、よりわかりやすかった。
? 下位の生徒へのアプローチにとても興味を持ちました。授業において、「学力差」はとても難しい問題ですが、ふだんの授業でうもれてしまいそうな生徒に光を当てる活動を取り入れるアイディアを考えていこうと思いました。年3~4回やっているスピーチの指導にいかそうと思います。
? 実用的でとても参考になりました。DVDなどを上手に利用されていると思いました。
? 萩原先生らしいねばりの英語の授業実践に感心しました。準備から実行までのきめ細やかな授業づくりにいつも感動しています。ありがとうございました。お体を大切にしてください。またお会いできる日を楽しみにしています。Thanks!
? 私が忘れているものがありましたが、発表は2人でやるとうまくいくんですね。これを取り入れて、少しずつ発表活動をやっていこうと思います。どうも有難うございました。
? 何種類もの教材研究をしなければならず、時間的余裕のない中で周到な準備を重ねられていらっしゃることに敬意を表します。生徒たちは、発表までに準備時間を十分取って段階を踏んで指導していくと、自信を持って発表できるようになるんだなと思いました。スタンダード表現の習得のさせ方をこれから自分の授業にも活用させていただこうと思います。
? 困難な学校でのオーラル・アウトプットの実践、すばらしいと思いました。
? 今日はありがとうございました。ちょうど、1クラス週2時間ですが、OCIを担当しているのでいろいろ参考になりました。またメール送ります。


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